田崎英明『無能な者たちの共同体』

無能な者たちの共同体

無能な者たちの共同体

1996年から2001年にかけて『未来』に連載されていたものの論集。

・共同体と受動性(あるいは死)について。

支配は、次の支配者へと形象される。支配は学ばれうる。被支配は学ばれない。この意味で、被支配者の伝統は存在しないのである。およそ伝統と呼びうるのは支配者の伝統だけである。(p.98)……読むこと、それは、事物や死者に声を与えることなのである。(p.158)……何かをせよ、といわれても、それは不可能なのだから。まさにそこから、共同体が始まる。(p.199)……むしろ、共同体とは、社会から「社会的なもの」が差し引かれた残りだという方が正しいだろう。(p.205)」

アリストテレスハイデガーアーレント、それからアガンベンが頻出。